エイズ


『彼に強く求められたから』『拒むと離れていくのではないかと思った』
こんな理由で望まないセックスをする人が いるそうです。
また、コンドームの使用に関しては、女性の側からは言い難いという現状があります。
しかし妊娠だけでなく、HIVの感染に関しても女性は被害を受けやすいのかも知れないのです。
HIVは膣分泌液より精液に多く含まれ、男性から女性への方が感染率が高いとされているからです
自分のからだを守るのは自分の行動だということを決して忘れないで下さい。
特に避妊については、自分が主導権をとるつもりで、勇気を持って行動して欲しいものです。

◆そこで今回は【これだけは知っておきたい エイズQ&A】 著者:高田 昇(広島大学原医研内科)より、特に感心の深いものについて、抜粋してみました。一部、改変しています。

*** はじめに ***
厚生省の発表によると新しいエイズウイルス感染者数は、前年度のおよそ倍の速度で増えています。
異性間の性交渉、あるいは若い女性が増加しています。 エイズという言葉は誰でも知っていますが、 正しい知識が理解となり、行動に結びついていないことが指摘されています。
これはエイズに“ネガティブなイメージ”が与えられ、「嫌なものは自分とは関係ない」と頭の中に “刷り込まれた”ためだと感じています。<中略>

◆エイズという病気

Q1. エイズという言葉はどういう意味なのでしょうか?

◆A1. エイズは英語でAIDS:Acquired immunodeficiency syndromeの頭文字を     とったもので、日本語では後天性免疫不全症侯群といいます。後天性とは生れつきの病気でないということ、免疫とは体を病気から守る抵抗力のこと、不全とは働きが悪いということ、症侯群とは症状の集りを示しています

Q2. エイズはどんな病気ですか?

◆A2. エイズという病気はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)というウイルスの感染症です。 ここではエイズウイルスと呼ぶことにしましょう。このウイルスは免疫の仕組みの中心であるヘルパーTリンパ球という白血球(血液の細胞の一種)に感染します。 このウイルスは少しずつ体の中で増えていって、次第に免疫の力を落としていきます。 そして遂に普通では起こらないような弱い病原体、例えばカビの一種であるカンジダとか、カリニ原虫が悪さをし始めても体を守れなくなって症状が現れてしまいます。 エイズは一連のエイズウイルス感染症の末期状態をいうのです。

Q3. エイズウイルスに感染するとすぐにエイズになるのですか?

◆A3. それは違います。最初に感染した時には元気なリンパ球が沢山残っていますから、ひどい症状は出ないのです。 ウイルスは時間をかけて体の中で増えていきますから、全体の抵抗力が破壊されるにはかなり時間がかかります。 今100人の人がエイズウイルスに感染しても、50人がエイズの状態まで進むのに、10年かかることが現在わかっています。

Q4. ということは感染していても症状がない人が沢山いるということですか?

◆A4. そうです。エイズは氷山という考えかたがあります。つまりエイズ患者の海面下には10倍以上の健康そうにみえる感染者がいるということなのです。ですから、世界の中では自分が感染していることを知らないでいる人の方が圧倒的に多いのです。

Q5. エイズウイルスに感染したときはどんな症状がありますか?

◆A5. エイズウイルスに感染した時に限った特別の症状はありません。エイズウイルスに感染すると約2割の人に“インフルエンザ”のような症状がでることがあるそうです。つまり頭痛、喉の痛み、リンパ節の腫れなどです。これは急性感染と呼ばれ、約2週間で自然におさまってしまいます。 つまり急性感染の場合も特有の症状ではなく、よく似た病気が他にもあるのです。だからエイズ検査をしてみなければわかりません。

Q6. エイズになったときの症状はどうですか?

◆A6. エイズというのは一つの病気ではなく、21の病気の状態を言っています。たとえばカリニ肺炎なら肺炎の症状だし、カポジ肉腫は皮膚のガンの一種で、赤紫の盛り上がったできものができます。エイズの症状はそれぞれの病気の症状なのです。 だから逆に症状からだけではエイズとは呼べ ません。エイズウイルスに感染していて体の抵抗力が低下していることと合わせてエイズと診断するのです。

◆感染経路

Q7. エイズウイルスの感染経路はどうですか?

◆A7. エイズウイルスの感染経路は限られています。
(1)血液、つまり感染者の血液の輸血やそれを原料にした血液製剤の注射、麻薬などの“回しうち”、 (2)性行為、つまり膣や肛門、口など粘膜を接する性交、 (3)母児、つまり感染した母親から赤ちゃんへの3通りしかありません。
これはエイズウイルスが非常にうつりにくいものだからです。エイズが流行している国々では熱心に調査を行っていますが、これ以外の感染経路の報告はありません。

Q8. エイズにかかりやすいのはどんな人たちですか?

◆A8. 正確にはエイズにかかりやすいという人よりも、エイズウイルスにかかりやすい“人間の行為”があるということです。 アメリカでは初期は同性愛の男性に、日本ではアメリカから輸入した血液製剤の治療を受けた血友病患者さんたちにエイズが多かったから、 そのような誤解があるのでしょう。誤解が差別や偏見を生んでしまったのですね。世界の感染者の75%は異性間のセックスが原因だとわかっています。 感染のチャンスがあれば誰でもうつる可能性があるわけで、“特殊な人の特殊な病気” という気持ちは改めて下さい。 むしろチャンスさえあれば“誰だってかかる普通の病気”だと思って頂きたいですね。

Q9. 外国人ホステスとキスをしたが、キスでうつることはないか?

◆A9. 厚生省が発表した日本の感染者の中に外国人が含まれていることは確かです。しかし外国人を見れば“エイズ”というのは差別問題ですよ。 それはさておき、エイズウイルス感染者の唾液の中にもウイルスがいることは証明されています。しかし血液に比べるとウイルスの濃度が非常に薄いのです。 ある科学者が計算したところでは、バケツに3杯くらい唾液を飲まないとうつる量にはなりません。そんなすごいキスをする人はいないのではないですか?

Q10. ファッションマッサージで口でサービスを受けた。感染した可能性は?

◆A10. 唾液に含まれるウイルスの量は少ないので、相手の唾液に血液が混じっていない限り、口でサービスをしてもらってもあまり危険だとは思えません。 しかし、口の中の傷から感染する可能性もあります。オーラルセックスの場合もコンドームを使うようお勧めします。

Q11. 自分はどうしても風俗関係の所に通うのはやめたくない。コンドームは100%安全と言えるか?

◆A11. どうしてもというのは困りましたね。100%という言葉は世の中にありません。確率は違いますが、今日交通事故に会う確率は0%ではないのと同じです。 交通事故に会わないために道路を通らないという訳にはいきません。交通安全施設を整備したり、交通ルールを守ったり、必要な注意を払うことで事故を減らすことができるでしょう?  コンドームの使用はエイズウイルスの感染を予防するのに有効であることが多くの研究で明らかになっています。ただコンドームも正しい使い方をして下さい。例えば直前につけるのではなく、初めから終わりまでつけておくことです。

◆その他

Q12. 身近にエイズウイルス感染者がいたら、どう接したらいいのですか?

◆A12. エイズウイルスは非常に感染しにくいものですから、日常生活ではうつりません。むしろ自分が感染していることを知っている人は、他人への感染を非常に注意しています。 そして社会差別にさらされることを恐れて生活しています。もし本当に感染者が身近にいらっしゃっても、今まで通りごく普通の人と同じように接して上げて下さい。

Q13. これからのエイズ対策はどんなものが必要なのでしょうか?

◆A13. 一番は社会をあげてエイズ教育に取り組むことです。無知のためにエイズウイルスに感染することはなくしたいのです。次に感染者の援護です。感染を恐れる人が気軽に検査ができること、さらに感染者が安心して医療を受けられることが必要でしょう。心の問題には相談に応じられる専門家(心理カウンセラー)が必要です。「エイズは嫌なもので自分に関係ない。感染者は避けたい」と思う偏見や差別が、 感染者を隠れさせ、検査を避け、感染を拡大させます。世界には検査を受けられない、コンドームを買えない、医療を受けられないという貧困の問題が大きくあります。もっと皆オープンにエイズやセックスのことが話し合えるようになる必要があります。 あなたの持ち場で、エイズの予防と感染者のために何ができるか考えて頂きたいと思います。


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